門真神社太鼓臺保存会

太鼓枠の解説と見どころ

門真神社太鼓臺保存会とは

門真市において門真の冠を有する門真神社。 門真発展の中心となる旧称 四番(しばん)村にあり、松下電器産業の創業者 松下幸之助 氏により寄進された鳥居を抱え、門真を見守り続ける威厳高き神社です。

この神社において夏祭り、秋祭りの祭事の一翼を担っているのが私たち門真神社太鼓臺保存会になります。 秋祭りには太鼓枠だけでなく、獅子舞を連ね村々を周る巡行を行います。 これは単に村々を巡り豊作の報告を行うだけでなく、御旅所に向けた御渡りの儀式を行うためです。 御渡りの儀式を行うことで門真神社の威厳を保ち、続けることで保存会の存在を誇示し続けています。

門真で唯一、太鼓枠、獅子舞、お渡りと全てを揃え、伝統に拘り、威厳高き祭りを守り続けているのが、私たち門真神社太鼓臺保存会です。 四番(しばん)村にあることから四番(しばん)と呼ばれるとともに、自身でも四番(しばん)と呼称しています。 この門真神社太鼓臺保存会は昭和54年9月26日に発足し、今年で40周年を迎えます。 昭和34年を最後に消えた青年団が運営していた太鼓臺の雄姿を今に取り戻すため、当時を知る者たちが集まり発足しました。 発足翌年の昭和55年10月には21年ぶりとなる太鼓臺道中巡行を執り行い、更に翌年には獅子舞をも復活さています。 なお、現在のこの太鼓枠は平成21年に発足30周年を記念し新調したものになります。

巡行のルール

太鼓枠の前と後

太鼓枠には前と後ろがあります。 休憩所や宮入りの際には必ず前から入る必要があります。 そのため、太鼓枠の出入りにはよくスイッチターンが行われます。 この際、進行方向を変更するために((き手たちは向きを変えなければなりません。 ((き手たちは棒鼻(ぼうはな)の「肩換え」という掛け声に従い、棒から肩を離さないよう素早く肩を入れ替えます。 肩換えにより太鼓枠は後退することが可能なのです。

肩換え

肩換えにより太鼓枠が後退する動きは、門真神社独特の動きであり、他ではあまり見られない動きです。 肩換えは進行方向の変更だけでなく、巡行の行列での前後調整や見せ場など、随所で行われます。 重い太鼓枠を下げないよう、落とさないよう((き手たちには息を合わせた素早い行動が求められます。 スムーズな肩換えは慣れの証でもあり、((き手たちの見せ場にもなっています。 棒鼻(ぼうはな)の「肩換え」との掛け声に、((き手たちが息を合わせ素早く動けているか注目ください。

太鼓枠をコントロールする太鼓中

太鼓枠をコントロールするのは太鼓中(たいこちゅう)と呼ばれる、太鼓枠の前後で提灯を持つ二人です。 この太鼓中(たいこちゅう)も門真神社の特徴の一つです。 そろそろと歩き一見は地味で隠れた存在ですが、太鼓枠において最も重要な役となっています。 その証拠に過去は家長のみが担える役であり、現在でも長男のみが担える大役として引き継がれています。 大昔、太鼓中(たいこちゅう)の立場が脅かされるような場面や状況では、一家が総出で太鼓中(たいこちゅう)を務める家長を守り抜いた、と口伝えられています。

太鼓枠はこの一対の提灯の間でしか動くことができません。 どこまで太鼓枠を進めるのか、どのように休憩場に出入りするのか、これらをコントロールするのは太鼓中(たいこちゅう)の腕の見せどころとなります。 たとえいくら肩換えをしようとも、太鼓枠は太鼓中(たいこちゅう)の間を抜け出すことは出来ません。 ((き手たちがいくら疲れていようと太鼓中(たいこちゅう)が進めば太鼓枠は進まざるを得ません。 そんな際、棒鼻(ぼうはな)((き手たちに発破をかけると共に乗り手に対し太鼓のリズムを変えるよう指示を出し、太鼓枠は太鼓中(たいこちゅう)にしがみついていきます。 是非、見せ場や曲がり角にて、真の花形である太鼓中(たいこちゅう)の動きに注目ください。

棒の責任者である棒鼻

太鼓枠のそれぞれの棒には臙脂(えんじ)の法被に身を包む棒鼻(ぼうはな)と呼ばれる責任者が付きます。 彼らは太鼓枠が太鼓中(たいこちゅう)の間に収まるようコントロールする必要があります。 巡行時の安全確保、((き手たちのコンディションの把握、休憩所での接待の対応など、花形に見える棒鼻(ぼうはな)ですが、実際は多くの裏方業務に追われる役となります。 屈強な彼らですが、((き手たちの信頼を得ていないと簡単には太鼓枠をコントロールすることは出来ません。 もちろん棒鼻(ぼうはな)同士のコミュニケーションも大切です。 血気盛んな((き手たちを上手くコントロールできているか、棒の動きに注目ください。

終わりの合図

境内に帰ってくるとクライマックスを迎え、祭りの終盤へと進んでいきます。 境内では台の上に太鼓枠を置き、休憩を挟みながら境内を練り続けます。 この台に置く際、前から鳥居を潜り入った太鼓枠を反転させ、後ろに向けて台に置くことが祭り終了の合図となります。

とはいえ((き手たちが疲れボテボテと太鼓枠が落ちだしても簡単には終わりません。 ((き手たちはいつまでも太鼓枠を担ぎ続けたいものです。 しかし、次第に祭りを終わらせようとする動きが生まれ始めます。 祭りを終わらせたい者は太鼓枠を反転させ台に置かせようとし、祭りを終わらせたくない者は太鼓枠を反転させないう抵抗します。 そして太鼓枠は境内で何度も反転しだします。 反転し台に置かれても「うっちましょ」が始まるまでに太鼓枠を担ぎ出せば祭りは終わりません。 この攻防は最後の最後まで続きます。 最終的に祭りを終わらせたい者の力が勝ち、太鼓枠は反転し台に収まり「うっちましょ」の唱和が始まります。

うっちましょ

祭りの終は「うっちましょ」の唱和です。 是非に皆さんとともに唱和し、祭りを無事に終えられた喜びを共有できればと思います。

うっちましょ しゃーん しゃーん
よーおってしゃんの おっしゃかしゃんの
しゃんとこ せっしゃんしゃん
もひとつかえして
よーおってしゃんの おっしゃかしゃんの
しゃんとこ せっしゃんしゃん

「うっちましょ」も終わり最後の最後、乗り手たちは神隠しに合わないよう、棒鼻(ぼうはな)たちに背負われ駆け足で境内を運び出されていきます。